Communication/コミュニケーション

薬剤師力向上特集

心を動かす薬局広報~脳科学で薬局広報は変わる 1

山田 隆司(やまだ たかし)

NPO法人メディカルコンソーシアムネットワークグループ理事長。1955年生まれ。国家公務員共済組合連合会虎の門病院臨床検査部、診断薬会社、動物実験研究所などを経て、亀田総合病院附属幕張クリニックで事務長、管理部長を務める。2007年から社会医療法人敬和会大分岡病院にて広報・マーケティング部顧問として現在に至る。多摩大学医療・介護ソリューション研究所副所長。

「広報」とは聞き慣れた言葉だが、医療の枠組みにおいて広報はどのような意味を持ち、今後どういった広報活動が求められてくるのか。大分岡病院で広報・マーケティング部顧問を務める山田隆司先生から、医療現場における広報のあり方についてお話ししていただいた。


広告と広報の違いがわからないという話は、病院などでもよく耳にします。これらの大きな違いは何かというと、お金を払って情報を伝えるのが広告で、ほとんどお金を払わずに情報を伝える活動が広報と考えていいと思います。広報はすぐに効果が現れるものではありません。出会ったばかりの男女が、いきなり恋愛関係にはなりませんよね。信頼関係が築かれないと、恋愛には発展しにくい。薬局も同様で、いかにお客さんに信頼されて、惚れてもらうかが大事なのであって、そのための手段が広報なのだと思っています。

 

広報は患者さんとの接点すべてに発生する

 私自身はもともと広報マンではなく、医療マーケティングをやっております。その関係で病院の立ち上げや経営などにも関わってきましたが、病院には広告費用というものがほとんどないので、広報としてできることをあれこれ模索してきました。なので今回は、病院マーケティングのケースが主になりますが、薬局、薬剤師さんにも応用していただける内容であると思っています。

 

 お仕事上、広報をやったことのある方はいらっしゃいますか?
 改めて聞かれるとなかなか難しいかもしれませんが、実を言うとお客さんと接点を持つところには全て広報が発生しています。広報誌を作ったり、イベントを企画したりするのももちろん広報ですが、チーム医療という言葉が象徴しているように、病院であれば病院全体が広報といえるのです。最近は薬局なんかに行きますと、素敵なところがたくさんありますよね。そういう意味では、建物自体も広報といえます。そして、皆さんの仕事の成果を伝えるのもやはり広報です。だから広報とは何か改まって考えなくても、皆さんは日常的に広報をしているのです。

 

 一方で、素敵な広報誌をたくさん作って配布したとしても、薬剤師の態度が悪ければ広報の形は崩れてしまいます。全てが広報なのだと考えると、接客のしかたや患者さんへの伝え方も変わってくるはずです。たとえば、言葉で伝えるだけではなく、より信頼を得るために紙で伝えようという発想から、新しい媒体が生まれます。さらに進むと、先生を呼んで健康講座を開催してみようということにもなるかもしれません。調剤室から一歩出れば、さまざまな形で広報活動ができるのです。

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