発売30余年のユニークな定番薬「ムコダイン」薬局での服薬指導に期待
2014-04-01
2014-04-01
1981年発売で、杏林製薬の顔ともいえる、認知度の高い<ムコダイン>。剤形を改良するなど、効能と同時に、飲みやすさを追求。2種類の錠剤のほか、飲みやすいピーチ味のドライシロップ製剤(DS)にも成人適応があります。<ムコダイン>の特徴や、DSの服薬指導など、保険薬局の薬剤師さんへの期待などを杏林製薬株式会社の野間真也課長に伺いました。
弊社では、呼吸器領域を中心にざまざまな疾病への適用はもちろんのこと、アドヒアランス向上という大きな課題を念頭に、薬を服用する患者さまの利便性を考えた製品を取り揃えています。例えば、昨春には、潰瘍性大腸炎やクローン病の患部である直腸に薬効成分が届きやすい坐剤タイプの<ペンタサ>を、秋には吸入ステロイドと長時間作用性β2刺激薬を配合した喘息治療配合剤<フルティフォーム>を新発売。主力製品である<キプレス>や<ウリトス>に加え、こうした画期的な薬剤を順次、開発、発売することでより多くの患者さまの病を癒すお手伝いをすることが私どもの使命と考えています。
一方、発売から30余年という「キョーリンの顔」ともいえる製品があります。それが、去痰薬<ムコダイン>です。
主な作用効能は、気道疾患の去痰、耳鼻科系では慢性副鼻腔炎や滲出性中耳炎(小児)の排膿です。<ムコダイン>の三大特長を挙げると、(1)上気道炎(咽頭炎、喉頭炎)に適応症のある唯一の去痰薬であること(2)ムチンバランスを正常に戻す作用があるため、水分の補給に関係なく硬めの痰、柔らかめの痰のどちらにも対応できること(3)線毛細胞の修復を行い気道粘膜を正常な状態に戻すこと。この3点が去痰薬としてユニークでありながら、定番薬のポジションを保ってきた所以といえます。
さまざまな薬剤を提供していくなかで、弊社では折々、患者さまの要望にお応えして剤形の改良など、努力を重ねてきました。<ムコダイン>の場合でいえば、成人で250mg錠を1日3回とした750mgという処方が時々見受けられます。もちろん患者により適宜増減が必要ですが、承認を受けた成人適正用量は1500mgですので十分な効果が得られない可能性があります。できましたら薬剤師の皆さまから処方元の医師にお話しいただくなり、弊社MRにご連絡いただくなり、善処にご協力をお願いできればと思います。
さらに<ムコダイン>では、水なしでも飲めるDS(ピーチ味)を販売しています。成人患者を対象とした<ムコダインDS>の服用感アンケート調査では、約65%の方が「飲みやすい」「やや飲みやすい」と、高評価でした。薬剤師向けの味の評価アンケートでも約75%の方が「好感が持てる」と回答しています。DSというと子ども向けと受け取られがちですが、<ムコダインDS>は成人適応もありますので、錠剤が飲みづらい高齢者のみならず、大人で服用錠数が多い方などへの服用に選択肢が広がればと思います。
こうした点につきましては恒常的なPR活動が重要ですが、私ども製薬メーカーでは、患者さまに直接コンタクトする保険薬局の薬剤師の皆さんの力を必要としています。定番のものから新薬まで多くの薬剤を販売していますが、先ほど述べたように承認時の服用法とは異なる処方がされることもあります。それを正したり、アドヒアランス向上に働きかけたりと、薬局の店頭という現場で患者さまにインパクトを持って指導していただくことを切に期待しています。私どもも薬局への訪問、情報提供などMRの活動を充実させるほか、薬剤解説の冊子やインフォームドコンセントツールなどの資材を提供、拡充するといった展開を推進してまいりたいと思います。
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