職員が動くとき、組織が変わるとき 第7回
2017-07-03
時給をどうするか

当然ながら店舗によって営業時間が違いました。土日も営業している店舗があり、土日の職員の確保に苦戦している店舗からは、土日の時給を上げてほしいという要望もありました。ただ、他の店舗との公平性などを考えると、どうしたらよいものか簡単には答えが出ませんでした。

また、私はパートの昇給についても疑問を持ちました。例えば、20円昇給するとします。これをフルタイム労働に換算するとおよそ3,500円になります。20円の昇給というのは大きいということです。さらに、ほぼ毎日出勤しているパートも週2,3回出勤しているパートも1年たったら同じように昇給してよいものか。これは不公平ではないかと考えました。

当然、給与は公平でなければなりません。そこで、パートの昇給についてはマイレージ制度を考えました。1時間勤務すると1マイル。正職員の年間の所定労働時間が仮に2,000時間だとすると、2,000マイルたまったら昇給するシステムです。ただし、土日はボーナスマイルとして1時間あたり2マイルとします。これで土日の時給は変えないけれど、優遇はしていることになります。パートは時間を埋めてもらっているので、時間に価値の違いをつけるのは公平ではないかと考えました。出向中の短期間では実現に至りませんでしたが、公平性の見方の一つとして有用だと考えています。


慶弔は何のために?

出向した当時は、なぜだか職員の家族に不幸が重なりました。中でもパートの親御さんの不幸が重なりました。私は会社から何らかの対応があるのだろうと思っていたのですが、何もありません。確認すると慶弔規程では、パートに対して何ら規定がなかったのです。確かに正職員ほど手厚くはできないのかもしれませんが、ご不幸があった時にパートだから何もないというのは冷たすぎると思い、パートにも葬祭に際しては弔電を出すなど、慶弔規程を改定しました。ここでも、週の勤務時間に応じて内容を変えました。職員を大切にしている会社だということが、少しは伝わる内容になったかなと思います。


採用面接後はお礼の手紙

職員確保は常に課題でしたが、面接があるときには事前に各店舗にアナウンスして受け入れ態勢を整え、店舗見学と面接をしました。面接では現在の状況をオープンに説明するとともに、積極的にアピールしました。それまでのウメノキ薬局(仮称)の採用面接は、「選考」する面接でしたが、「選考してもらう」面接に完全に切り替えました。薬局側が選ばれる側なのです。

紹介会社も積極的に活用しましたが、紹介会社の営業マンにはウメノキ薬局の魅力をまとめたパンフレットを渡し、面接をしたら1時間以内に合否判定と給与通知を送るようにしました。猛烈アピールと対応の速さに好感を持ってもらい、少しずつですが紹介会社からの案件が増えるようになりました。

面接をした方に対しては、その日中に手書きの礼状をはがきで送りました。はがきにしたのは、主婦の場合、ご主人が目にするケースがあるだろうと考えたためです。狙い通り、「こんな礼状をくれるのだから、いい会社だと思うよと主人も申していたので、御社でお世話になります。」と言ってくれる人も出てきました。

こうした実務面の改善と成果を少しずつ出していくことで、職員からの信頼を徐々に高めていくことができていきました。(続きは次回)

株式会社日本経営戦略人事コンサルティング 橋本 竜也

 

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